福利厚生制度としての持株会について

多くの上場企業や、一部の非上場企業では、持株会制度というものがあります。しかし、新入社員などの従業員にとっては、そもそも仕組みがよくわからない、企業で強く推奨されているから加入している、将来的にどうしたら良いか分からず不安などと考えている従業員もいらっしゃるようです。

そこで今日は従業員持株会のメリット、デメリット、そして退職後の手続きについて解説します。

持株会とは?

まず言葉の意味ですが、「従業員持株制度」とは、自社の株を購入・保有できる制度です。また「従業員持株会」とは、この制度を運営する常設機関のことを言います。

従業員持株制度は、従業員が毎月の給与や賞与から一定の金額を給料から天引きし、共同で持ち株を購入していきます。

持株会のメリット・デメリット

この制度のメリット、デメリットですが、経営者側と従業員側の両方からみてお伝えします。

経営者側のメリット

  • 信用度の高い株主構成となる。
  • 従業員の金融リテラシーの向上が図れる。
  • 従業員の自社への経営への参加意識の向上が図れる。
  • 従業員のやる気にもつながる。

経営者側のデメリット

  • 業績悪化等で株価が下落した際に従業員のモチベーションが低下してしまう。

経営者にとっては従業員のモチベーションを向上させることができ、安定した株主を得られるという特徴があると言えるでしょう。

従業員側のメリット

  • 1,000円から手軽に始められる。
  • 配当金が受け取れる。
  • 自社株が上昇すれば資産を増やすことができる。
  • 奨励金で、より多くの株式が購入できる。

(奨励金とは、企業が負担する出資金のことを言います。従業員の株式購入促進のために多くの企業で導入されています。従業員は自己拠出額に企業負担の奨励金を足した金額で株式を取得することができます。奨励金の金額は企業によって異なりますが、多い場合で20%程が支給されます。)

従業員側のデメリット

  • 株主優待は得られない。
  • 現金化するのに時間がかかる。
  • 自社株が下がれば、損失になる。

 従業員側から考えると良くも悪くも、会社への依存度が高くなるという側面があるでしょう。

退職後の手続き

次に退職後の手続きについて解説します。退職後は持株会を退会することになり、再入会はできません。保有している株式が上場している場合には、証券会社などに個人口座を開設し、その後振替となります。

証券会社にもよりますが、口座開設には、当日から1週間程度、振替には、更に1週間程度時間がかかるので、注意が必要です。また買取価格ですが、振替後は市場での売買になります。売却時の株価が取得価格より上がっていれば利益になりますし、下がっていれば損失となります。

保有している株式が非上場の場合は自社での買取になり、買取価格は規約の中で明記されているかと思いますので、確認が必要です。

まとめ

福利厚生として従業員持株会制度が導入されている企業も数多くありますが、メリット、デメリットを正しく理解し、自身のより良い資産形成ができるように努める必要があります。

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永瀬由貴

永瀬由貴

大学卒業後、約10年間金融機関に勤務。お客様に寄り添った提案をするためには、経済状況や商品の知識だけでなく、ファイナンシャルプランナーの知識が必須だと痛感。 現在は1級ファイナンシャルプランナーとして活動している。
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